この数学者に出会えてよかった

数学書房編集部 編
A5判・並製・176頁・2200円+税

数学との出会いで、良い先生・良い数学者に出会うことは、大きな要因です。 そこで16人の数学者に、人との出会いの不思議さ・大切さを自由に書いて頂きました。

まえがき

はじめに

 "数学との出会い"をテーマに,小社は『この数学書がおもしろい』『この定理 が美しい』の2冊を刊行しました.本および研究分野との出会いに焦点をあてまし たが,数学にとってもう一つ大きな要因は数学者との出会いであると思われます. そこで今回,3部作のまとめという位置付けで,数学者との出会いをテーマに本書 を企画致しました.
 良い先生・良い数学者に出会うことは,数学を志すときに非常に大きな要素であ ると言われます.数学者に魅了されて研究分野を選ばれた人も多くいらっしゃるこ とと思います.出会いのエピソード,影響を受けたこと,数学者として学んだこと ・魅了されたこと,人間としての交流などなど語れば尽くせないものが数多くある のではないかと考えました.そこで、16人の数学者のかたに,ご自身にとっての "この"数学者との出会いをご自由にお書きいただきました.併せて,これから数学 を目指そう,あるいは,いま目指している若いかたを読者として意識していただく ことも御願いを致しました.
 本書を通して,また既刊の2冊を含めて,これから数学を目指そうという読者の かたに,"数学との出会い"の大切さを伝えることができたら幸いです.
 また,ご執筆を頂きましたかたがたに改めて感謝を申し上げます.

2011年5月 東日本大震災後 2か月
                                                          数学書房編集部

目次

青本和彦: J.Leray教授との2年間 Jean Leray
小野 孝: 二人の巨星 C.Chevalley, A.Weil
加藤十吉: 一期一会 野口 広
河東泰之: 型破りの数学者 V.F.R.Jones
河野實彦: 愛すべき数学者 Raymond Gerard
小谷元子: 「以後の風景」のなかで, 混沌の裏には単純があると学ぶ Gromov,砂田利一
小林昭七: 中学時代の恩師 林宗男
杉山健一: 書物を通じて人と知り合う 岡潔, 小平邦彦, そして朝永振一郎
高橋陽一郎: ボルツマンの夢 Ya.G.Sinai
高橋礼司: ジャン・デルサルトへの想い J.Delsarte
武部尚志: レニングラードでの出会いから Evgeni Sklyanin
西川青季: 情熱の人 小畠守生
原田耕一郎: 古希に思う J.G.Thompson
村上 斉: 数学者とはどうあるべきか Hugh Morton
村瀬元彦(Motohico Mulase): 子供の目 Maxim Kontsevich
山本昌宏: 楽しめ人生, 楽しめ数学 Rudolf Gorenflo