ひとりで学べる線型代数1----ベクトル空間と行列式

近藤庄一 著
B5判・336頁・本体価格2800円+税
早稲田大学での「講義をしない授業」が本になりました.
著者長年の講義経験から得たのは,黒板で説明・解説をしない授業が教育効果が高いということでした.
「なに! この授業は…」と戸惑っていた学生も最後は,自ら学ぶ姿勢の大切さ学んだと述べています.
詳しく親切な解説,豊富な問題と丁寧・詳解な解答をつけました.大学教育の新しい実践の書です.
目次
1巻 ベクトル空間と行列式
1 章 用語と記号
2 章 スカラーの集合
3 章 ベクトル空間の演算
4 章 部分空間
5 章 1次結合
6 章 連立1次方程式の解法
7 章 生成元の取り替え
8 章 1次独立な元
9 章 基底と次元
10 章 有限生成な空間
11 章 基底の変換
12 章 行列の積
13 章 正則行列
14 章 行列式の性質
15 章 行列式の計算
16 章 行列式の展開公式
17 章 Cramer の公式と逆行列
18 章 行列式を表す式
19 章 置換と逆置換
20 章 互換と巡回置換
21 章 行列式の定義
22 章 行列式に関する等式
23 章 行列のランク
24 章 行列の小行列式
25 章 基本変形を表す行列
ごあいさつ
まえがき
先生が書いたテキストを読んで問題を解く.先生は学生からの質問
に答えるだけで,自らは何も教えない.最初は「何だよ! この授業は…」と
思っていました.いや,今も思っているかもしれません.しかし,この講義のない
授業からは,自ら学ぶ姿勢の大切さについて学べたと思います.
この授業の形式を聞いたとき,変わった授業だなと思いました.今まで,
こういう授業を受けていなかったからそのときはそう思ったけど,終ってみて
思ったのは,ノートを取っている他の授業よりも,明らかに,この授業の方が
理解できたということです.
自分でテキストを読んで理解した上で問題を解く,
前には質問に答えてくれる先生が居る,とても理想的な形式だと思います.
大学の授業は,頑張ってノートを取り,テスト前に復習するみたいな感じで,
頭を使って授業していないけど,こういう形式だと,そうでないからよいと
思いました.
・この授業の形式は,継続的な学習習慣がつくことから好ましいと思います.
・本気で取り組むにはよい方法だと思う.
・先生の問題は難しいですが,テキストをよく読み込めば本当はとても
分かりやすいということに気がつきました.
これらは私がこのテキストを用いて行った「線型代数」の受講生からの
ポジティブな評価です.受講生に配布したテキストを各年度ごとに書き換え,
このテキストの形になりました.各章は講義 1 回分に対応しています.
「線型代数」は,数学を学ぶための基礎科目の1つです.
初学者がひとりで学べるように,できるだけ平易な説明をするように心がけて,
このテキストを書きました.
配布したテキストに対する受講生からの「ネガティブ」な評価は
「例題を増やしてほしい」
「問題の解答がほしい」でした.そこで,指摘を受けた箇所で
の例題を増やし,また,問題には,すべて,詳細な解答を付け,
解答は,初学者の参考となるように,略解(メモ)ではなく,説明を補い,
文章の形で書きました.
「線型代数」で扱われる標準的な内容を 2 分冊に配分してあります.
第 1 分冊では,ベクトル空間と行列式を,第 2 分冊では,
線型写像と計量空間を取り上げました.これらの 2 分冊を修得するならば
「線型代数」に関する十分に高度な知識を修得できると思います.
このテキストの問題(および解答)の多くは,個別に明記することなく,
参考にした他著者のテキストから借用しました.
それらの問題を作られた著者の方々のご宥恕を請うとともに,
著者の方々に深く感謝申し上げます.
2007 年 12 月 20 日
近藤庄一